こんばんは。
武野光です。
先日のゴールデンウィークで京都に帰省したりしていまして、久しぶりに同級生に会ったりしました。
数少ない友人が結婚するなどの吉報を聞いて、ほんのりと気持ちが温かくなっております。
そこで友人と話していて彼から出たセリフで
「俺は会社の価値観に何十年も縛られて生きていたくはない」
というものがありました。
これを聞いたときに思ったことがあります。
会社にはそれぞれの価値観があります。
それは社是や社訓といったもので表現されていることもありますが、抽象的すぎて的を得ているとは言えないことがほとんどだと思います。
少しでも社是社訓が長い会社なら、空で言える人はかなり少ないでしょう。
すごく分かりやすい部分で会社の持つ価値観が出るのが
待遇
ではないかと思います。
例えば子育てに重点を置いている会社であれば産休育休の取得率は高いでしょう。
それは「それが普通」と捉えている社員が多いのだと思います。どちらが先かは鶏と卵でしょうが。
他には労働時間にも価値観は反映されるでしょう。
「数字をあげるために労働時間は関係ない」と考える会社であれば労働時間は必然的に長時間になるでしょうし、「プライベートを重視しなければ仕事の能率もあがらない」と考える会社であれば比較的労働時間は短くなります。
どちらが良いかはわかりませんが、とにかく会社にはそれぞれ特有の働き方に対する捉え方があります。
そうすると必然的に社員、特に新入社員に対しては
刷り込み
が生じます。
それは意図して植え付けるものかもしれませんが、そうでなくてもそれぞれの環境に社員はいるのですから、どっぷりと浸かることになります。
ここで特に新入社員さんが考えなければならないことは
自分は順応できるか
ということです。
順応できればそれはとても幸せなことです。
勤労を通した自己実現、充実感を得やすくなります。
目標にしたって構わないと思います。
しかし、どうしても順応できない人がいます。
すると「若者は3年で辞める」ことになるわけですが、それは若い社員が会社の価値観に触れることが新鮮だからであって、ある程度年次のある社員でも避けられません。
会社はずっと同じ価値観を持っていません。
景気の上下で経済状態は左右されますし、世情に合わせて変化していくこともあります。
となると、それなりに勤続していても、順応できずに辞めていく人もでてくるわけです。
ただ、順応できなかったとしても辞めない人はいます。
もう少し深く見ると、辞められない人がいるのです。
最近の若い人は安定性を求めるようになったと言われています。
安定性を求めているから中小企業を受けようとしないなんて、使い古されたことを言うバカな有識者気取りもいますが、間違ってはいないと思います。
(それは僕たちが景気の良い時代を知らないからなど理由はありますが、それは別のところで)
つまり安定性は素晴らしいものだと考える人が若い人には多いということですが、
どうか知ってほしいことは
会社は安定性を人質にとって過酷な環境に留まらせれば得をする面がある
ということです。
個人事業よりも会社に所属することは、収入面で安定しています。当然のことです。
自分がいなくなっても他に稼いでくれる人がいることの強さが会社です。
うつ病になって求職しても給料が部分的に出るなんて、本当にすごいことです。
しかし、安定性を求めすぎると、その安定性が揺らいだときににっちもさっちも行かなくなります。
それを見越していないために能力が養われていないということもあるでしょう。
最近の若い人は会社に対して愛を感じなくなっている、要は愛社精神がない、なんて言われていますが、僕はそれでいいと思います。
会社は社員という労働力を給料という金で買っています。
本当はそんなシンプルな形です。
そこに依拠しすぎる、もしくは「自分はお金をもらっているから会社には従属しないといけない」と強く思い込み過ぎると、いいように使われます。
基本給を極限まで下げて、みなし残業代を付与して給料を平均に近づけて死ぬほど残業させるなんて、その典型です。
安定性は人質になる。
覚えておいて損はないと思います。
なんか暗い感じになったでしょうか笑
でも会社の価値観に合わせてガムシャラに頑張ることも、本当に素敵なことです。
安らかに。